Android版 Arc Search がやってきた。ベータ版の使い方を解説
2024年10月より、Arc SearchのAndroid版オープンベータアプリが公開されました。
Arc Searchとは、AI機能がシームレスに統合された新世代のブラウザアプリです。iOS版は先行して公開されていて、やっとAndroid版も登場しました。
今回はAndroid版 Arc Searchの使い方と使ってみた感想をご紹介します。
Arc Searchとは?
Arc Searchは「The Browser Company」が開発しているスマートフォン向けのブラウザです。
Mac/Windows向けの「Arc Browser」も開発していて、快適にブラウジングするためにつくられた画期的なUIが使いやすく、密かに話題になっています。
Android版Arc Searchはベータ版のため、iOS版よりも機能は少ないものの、一部のAI機能は使えるのでベータ版でもかなり快適に使えると思います。
現在、Android版で使える機能はこちらです。
- Browse for me(AI検索)
- 広告ブロック
- Webページの翻訳
- ページのピン留め
反対に、iOS版では使えるけどAndroid版ではまだ利用できない機能はこちらです。
- Arc Sync(PC版との同期)
- Summarizing for you(開いているサイトの要約)
- 音声検索
- Call Arc(スマホを耳に当てるとAIと通話できるモード)
- Reader mode(テキストに集中するモード)
- アプリアイコンの変更
Android版はオープンベータの段階なので不具合もあるかもしれないですが、今のところ目立ったバグなどは起こっていません。
アプリのUIは英語のみです。そもそもUIに使われている言語情報が少ない(設定画面だけ)ので気にせず直感的に使えると思います。
Android版 Arc Search の使い方
基本的な使い方
UIは非常にシンプルです。何もタブを開いていない状態だと画面下の検索ボタンと設定ボタンしかありません。
中央のArcのロゴは回転したり移動したりできます。こういうちょっとした遊び心が楽しいのも魅力の一つです。
最近のスマホは画面が大きいので、ブラウザの操作が画面の下だけで完結するのも使いやすさの理由だと思います。
+ボタンを押すとすぐに検索画面が開いて入力待機画面になります。
検索マークのあたりを押すと通常のGoogle検索が立ち上がり、「Browse for me」を押すとArc独自のAI検索ができます。
ちなみに検索バー右の目👀のアイコンを押すとプライベート検索ができます。押すと目が閉じるアニメーションもかわいいので、実際に入れて試してみてください。
このAI検索が非常に便利で、絵文字付きの箇条書きで検索内容をまとめてくれます。
検索時に英語で入力しても日本語で出力されることが多いです。(左)
AI検索の出力言語はOSの言語設定に依存しているようで、OSを英語に設定していると、たとえ日本語で検索しても英語で出力されます。
あくまで出力言語がOSの設定に固定されるだけなので、OSを日本語に設定して検索を英語で行うと、英語の情報源から検索して勝手に日本語に翻訳して表示されます。
そのため日本語で検索した結果がイマイチだったら英語で検索するとより良い結果が得られるかもしれません。
当ブログについてもこのようにうまくまとめてくれます。(右)
結果が出る速度も速いです。ChatGPTのように1文字ずつ出る形式ではあるものの、出力速度が速いのでストレスなく快適に使えます。
AI検索を下にスクロールすると、より詳しい情報が得られます。
新しく検索を開始したいときは、また+ボタンから検索すると新しいタブを開いて検索ができます。
開いているタブは左のカードみたいなボタンから一覧で見られます。
開いているアプリ一覧と似たUIで、上にスワイプするとタブが閉じます。すべて一括で閉じる機能は今のところ無いです。
直感的でシンプルなUIの中にAI機能がうまく溶け込んでいることがArc Searchの特徴です。
UIの中で「AI」という言葉が出てこないのもあってか、AIを使っていると意識せずに使えるのもよく考えられていると思います。
設定画面
これが設定画面です。
広告ブロックの設定は「Global Site Settings」で行います。広告・Cookieバナー・トラッカーをそれぞれブロックするかどうかを選択できます。
「Search Engines」でデフォルトの検索エンジンを変更できます。初期状態はGoogleです。
「Archive」は直近のタブの履歴が記録されています。
「Archive Inactive Tabs」では、タブをどれくらいの期間保持するかを設定できます。デフォルトでは1日経つと自動でタブが削除されて「Archive」に残ります。
開いているページの詳細
Webサイトを開いた状態で、右下の上向き矢印を押すとサイトの詳細について見ることができます。
ここで初めてWebページのURLを見ることができます。URLを意識しないつくりになっているのも面白いですよね。
URL下の4つのボタンは、翻訳、ピン留め、ページ内検索、共有ができます。ピン留めしたページは+ボタンを押したときの画面に表示されます。
「Site Settings」でサイト別に広告ブロック設定ができます。
Android版では広告のブロックはできても、表示領域はエラーが出て残ってしまうのが残念なポイントです。(このドロイドくんまだ生きてたんだ)
iOS版では広告領域も非表示になるので、今後のアップデートに期待したいです。
当ブログは広告収入を得て運営しているので、正直ブロックしないでほしいというのが本音です。ただ私自身も広告ブロックのお世話になるシーンはあるので、個人の自由で使えばいいんじゃないかなと思っています。
Arc Search を1週間使ってみた感想
Arc Searchにとって、Android上では強力なライバル「Google」の存在が大きいです。
私はGoogle Pixelを使っていて、ホーム画面を開くとGoogle検索バーが常に常駐しています。どんな時でも一発で検索画面が出てくる状態に慣れてしまっているので、Arcを開いて検索するよりもGoogleの方が便利だなと思うことが多いです。
Arcもアプリを完全に閉じた状態から開き直すと一発で検索画面が出てきます。ただ開いている状態では出ないので、Googleよりも1タップ多くなってしまいます。
Googleの存在をどう乗り越えるかがAndroid版Arc Searchの課題になるかと思われます。
AI検索の精度に関しては明らかにArcの方が良いと感じました。Google検索にも一応AIの要約機能はありますが、出ないときも多いし、文章で出てくるので理解に若干時間がかかります。
Arcなら「Browse for me」を押せば確実にAI検索ができて、箇条書きで出力されるので非常に読みやすくわかりやすいです。
基本的なUIはシンプルすぎる
AIや検索機能以外のUIの面では、操作が画面の下側で完結するデザインがすごく使いやすかったです。
言語的な情報が少ないので、日本語非対応でも使いやすいところも好印象です。
使いづらいと思ったポイントは、シンプルすぎるがゆえにタブを保持しにくいことです。
もともとArcはタブを残さない設計なので、残したいタブはピン留めするしかなく、放っておくと勝手にアーカイブに入ってしまいます。
個人的にはアプリがないサイトや定期的にアクセスするサイトはタブで残しておくことが多いので、タブやブックマークを残すという今までの習慣を変える必要があります。
あえてデフォルトのブラウザにしない使い方が今はベスト
まとめると、完全にArc一本にするのではなく、デフォルトのブラウザと併用していく使い方になるのではないかなと考えています。
普段使いではArc Searchを使いつつ、定期的に見たいサイトや後で見返したいサイトはChromeで開いて、デフォルトのブラウザもChromeのまま。といった感じです。
ホーム画面のGoogle検索を置き換える形が一番使いやすいのかなと思ったんですが、それならOSに統合されているGoogleでいいじゃん、となってしまうので、定着するかはまだ未知数です。
まとめ:AIネイティブなブラウザを体験せよ
今までのAI搭載ブラウザ(E◯geなど)とArc Searchが違うところは、初めからAIとユーザー体験の統合を目的に作られているかどうかだと思います。
Arcは最初からAIが入ることを前提につくられているので体験の質が非常に高かったです。スマホでここまで完成度の高いAI搭載ブラウザは無いと思います。
iOS版のArc Searchはページの要約機能や他デバイスとの同期機能もあるので、今後Android版にも追加されていくはずです。
もちろんすべての機能が無料で使えるのでぜひ試してみてください。