Nothing Ear (2) 1ヶ月使用レビュー:AirPods Proと比較した正直な感想
Nothing Ear (2) を買ってから1ヶ月じっくり使って感じたことや細かい部分についてレビューしていきます。
今回僕は初代AirPods Proから乗り換える目的で購入したので、AirPods Proと比べてどう違うのかも合わせて解説します。
購入した理由については以前記事にしたので、興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。
Nothing Ear (2) とは?
- デザイン命、だけど音質もノイキャンも妥協しないワイヤレスイヤホン
ここが良き!
- デザインが最高
- 音質をイコライザーとパーソナライズで自分好みに変えられる
- どんな端末ともペアリングの切り替えがしやすい
ここはイマイチ…
- イヤホンの取り出しに慣れが必要
- ケースが傷つきやすい
- ハイレゾ再生できる端末が少ない
Nothing Ear (2)のスペック
比較のためにAirPods Pro(第1世代)のスペックも合わせて掲載しています。
項目 | Nothing Ear (2) | AirPods Pro (第1世代) |
---|---|---|
ドライバー | 11.6 mm ドライバー | 非公開 |
サウンドコーデック | LHDC 5.0, AAC, SBC | AAC, SBC |
バッテリー | ANCオン:最大4時間 (ケース込で最大22.5時間) ANCオフ:最大6時間 (ケース込で最大36時間) |
最大4.5時間 (ANCオフで最大5時間) ケース込で最大24時間 |
充電時間 | 10分で8時間の高速充電対応 | - |
充電方式 | USB-C Qi ワイヤレス充電対応 |
Lightning Qi ワイヤレス充電対応 |
ノイズキャンセリング | 最大 40db ANC トランスペアレンシーモード (外音取り込み) |
アダプティブノイズキャンセリング 外部音取り込みモード |
防水性能 | イヤホン本体:IP54 ケース:IP55 |
イヤホン本体:IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.2 Google Fast Pair Microsoft Swift Pair デュアル接続対応 |
Bluetooth 5.0 |
イヤホン寸法 | 29.4 x 21.5 x 23.5 mm, 4.5g | 30.9 x 21.8 x 24.0 mm, 5.4g |
ケース寸法 | 55.5 x 55.5 x 22 mm, 51.9g | 45.2 x 60.6 x 21.7 mm, 45.6g |
開封から楽しい仕掛け
外箱は紙製です。先行販売で購入したのでNothingのステッカーをもらいました。
Nothing製品の箱は代々、箱の横の開け口からぐるっと一周引っ張って開けるような仕掛けになっています。お菓子の箱みたい。
一回限りの開封なので、たくさん写真を撮ってしまいました(笑)
ただ売却することを考えると元の状態に戻せないので少し複雑な気持ちになります。
箱を開けると丸い模様の紙が出てきます。QRコードになっていて、これを読み込むとイヤホンの設定を行うアプリをインストールすることができます。細かいところまでデザインにこだわっていますね。
付属品はイヤーピース(S・Lサイズ)とUSB Type-C to C ケーブルのみです。Mサイズのイヤーピースは最初からイヤホンに装着されています。
USBケーブルは端子部分が円になっていておしゃれな見た目になっています。僕は普段ワイヤレス充電を使うので使わず箱にしまっています。
外観:唯一無二のNothingデザイン
やっぱりNothingといえばこのデザインですよね。めちゃくちゃかっこいい。
透明なケースに入っている近未来的なデザインのイヤホンは眺めているだけでワクワクします。
イヤホンを外した状態でケースを見てみると、左右非対称なのがよくわかります。右側イヤホンを入れる部分は赤いドットがついています。
ケース単体で見てこんなにデザイン性の高いものはなかなかないと思います。
右側のイヤホンのみ赤いドットがついていて、デザイン上のアクセントになっているだけでなく視覚的にも左右がわかりやすくなっています。
イヤホンを裏返すとこのようにスケルトンな見た目になっています。側面の銀色の部分はイヤホンの操作でつまむ部分です。
AirPods Proと並べてみました。AirPodsも出たばかりのころは耳からうどんだとか奇抜なデザインだと言われていましたが、Ear (2)の横ではおとなしいですね。
つけ心地を比較すると、AirPods Proは「ふんわり耳に引っ掛ける」ようなイメージで、Nothing Ear (2)は「しっかり耳にハマる」ようなイメージです。
どちらが良いかは好みにもよりますが、AirPods Proの方が圧迫感が少なくイヤホンの重さも軽く感じます。
実際はAirPods Proは5.4gなのでEar (2)の方が軽い(4.5g)はずですが、つけ心地の違いで重さの感じ方も変わってくる、ということに気が付きました。
透明ケースはやっぱり傷つきやすかった
使い始めて1ヶ月、カバーもつけず何も気にせずポケットに入れて使っていたら、やっぱり少し傷がついていました。
ただこうして光に当てて間近で見ないとわからない程度なので、普段はあまり気になりません。(この記事を書きながら初めて気づきました)
少しも傷をつけたくない、という方でも、ケースを保護するカバーやフィルムも売られているのでご安心ください。
スティーブ・ジョブズも傷がついたiPhoneの方がかっこいいとか言ってたような言ってないような。そんなわけでついてしまった傷は仕方ないのでこれからも気にせず使おうと思います。傷がついてちょっと凹んでるなんて言えない
イヤホンの取り出しは慣れが必要
それからイヤホンの取り出しも若干慣れが必要です。正直に言うと、初めて使った時は思ったよりも使いづらいと思ってしまいました。
デザインに全振りした結果イヤホンの使い勝手が悪くなるなんて本末転倒ですが、一度慣れてしまえば問題はありません。
右側のイヤホンは普通に取り出せますが、左側のイヤホンが特に取り出しづらいです。(右利きだからかも)
コツとしては正面向きでケースを持つのではなく、右手でケースを横向きに持つと取り出しやすくなります。
またケースにイヤホンを戻すときも慣れるまでは落としそうで少し不安になります。
ケースに戻すコツはイヤホンを「寝かせるように置く」とうまくいきます。左側のイヤホンをしまう時は、右手でケースを横向きで持って左手でイヤホンを寝かせるように置くとしまいやすいです。
音質:自分好みの音をつくれる
音質は少なくとも初代AirPods Proよりは明らかに良いです。
Ear (2)の音質は、イコライザーを使わない状態ではかなりフラットな音質です。それでもAirPods Proと聴き比べると、よりクリアで抜けが良く低音もより出ているように思います。
音の分離感もAirPods Proより良いように感じるので、音数が多い曲なんかでは裏で鳴っている音がより聴こえやすい気がします。
音質向上のために11.6mmダイナミックドライバーや空気を流れを良くするデュアルチェンバー構造を搭載されているので、効果がとても出ていますね。
単体でも十分な音質ですが、イコライザーはもちろんパーソナライゼーションによってユーザーの耳の特性に最適化した音質をつくることができます。
イコライザーは低音・中音・高音がそれぞれ+-6まで上下できます。ただ、個人的には通常の「バランス」で十分だと感じますし、低音を強くしたいときはプリセットの「低音を強調」の方が自分でイコライザーの低音を強くするより音が良いように感じます。
僕は普段は「バランス」で、気分に合わせて「低音を強調」に切り替えて使っています。
低音好きな方は「低音を強調」をデフォルトにしても良いかもしれません。
パーソナライゼーションも調整できる
パーソナライゼーションは簡単な聴力検査をアプリで行うだけ完了します。パーソナライズ後の音質はイコライザー画面から自分で調整することができます。
パーソナライズされたサウンドの効き目を弱め・推奨・強めから選べる他、パーソナライズされた音質と通常の音質とのバランスを、強度のスライダーで調整することができます。
100%がパーソナライズされたサウンドで、0%がパーソナライズされていない通常の音質です。100%に近づくほど、フラットな音質がドンシャリ(?)になっていくようなイメージです。
スライダーは1%刻みで調整できるので、自分好みの音質を探ることができます。
効き目の3つの選択肢は違いがわかりにくかったのに対し、強度のスライダーは明らかに音質が変わっていくのがわかって驚きました。
僕は画像の通り効き目は「推奨」で、強度は50%に設定しています。100%だと少し聴き疲れしやすかったので、半分くらいが一番しっくりきました。
ハイレゾも対応しているが・・・
Ear (2)はハイレゾ再生にも対応しています。ただしコーデック(イヤホンを接続する方式)がLHDCしか対応していないため、国内で販売されているほとんどの端末が対応していません。
LHDCはNothing Phone (1)やHuawei、Xiaomi、Oppoなどの一部のスマホしか対応していません。
とはいえ通常のAAC接続でも十分な音質なので、個人的には満足しています。
操作性:確実なつまみ操作
Nothing Ear (2)はイヤホンの柄の部分をつまむように操作します。AirPods Proと同じ感覚で操作することができます。Nothing公式ではブレスコントロールと称されています。
タッチ操作ではどうしてもイヤホンをつけ外しする時など誤動作の問題がありますが、つまむ操作ならそんな心配はありません・・・
と言いたいところでしたが、イヤホンの位置を調整しようと触れただけでごくたまに1回押したことになることがありました。
またAirPodsよりも若干つまむ部分が狭い(銀色の部分)からか、たまに長押ししたつもりが1回押しに判定されることがありました。操作性はもう少し改善できそうな印象です。
デフォルトの状態では1回押しが音楽の再生停止、2回押しが次の曲にスキップ、3回押しが前の曲にスキップ、長押しがノイズコントロールに割り当てられています。
オプションで2回つまんで長押しという操作もあります。ここには音量操作を割り当てられるので結構便利です。
イヤホンのつけ外しで再生停止もすべての端末で対応
音楽再生中に片方のイヤホンを外すと、AndroidでもWindowsでもApple製品でも自動で再生が停止します。
ちなみにAirPodsはApple製品と接続している時しか作動しません。AndroidやWindowsPCと接続することが多い人にはEar (2)の方が相性が良いです。
接続性:どんな端末とも相性よし
Nothing Ear (2)はデュアル接続に対応しているので、PCとスマホ両方同時に接続することができます。これも接続するOSを問わず使うことができます。
またデュアル接続を使う使わないにかかわらず、複数の端末間の切り替えがとてもやりやすいです。今まで接続していた端末を操作しなくても、次に使う端末で接続するだけで勝手に接続が切り替わってくれる仕様になっています。
AirPodsをお使いの方なら「普通じゃん」と思うかもしれません。一般的なワイヤレスイヤホンでは、元々接続していた機器から切断しないと他の端末に接続できないことが多いのです。
僕はPCやスマホ、iPadなど複数の端末を切り替えて接続することが多いので、接続性に関してはかなりこだわりがあります。
Ear (2)はOSを問わずそれが実現できるのでめちゃくちゃ使いやすいです。AirPodsも接続切り替えの挙動は同じだけどたまに上手くいかないときがあったので、Ear (2)の方が僕の環境には合っていました。
ペアリングはAndroidならかんたん
Google Fast Pairに対応したAndroid端末なら、イヤホンを最初に開いたときにポップアップが出てかんたんに接続することができます。
実はアプリから接続するとかっこいいアニメーションがあるので、アプリで接続する方がおすすめです。もちろんアプリからの接続はiPhoneも対応しています。
ちなみにアプリはライトモード・ダークモード両方対応しています。
またMicrosoft Swift Pairにも対応しているので、WindowsPCならAndroidと同じようにポップアップが出てかんたんに接続することができます。
ノイズキャンセリング:初代AirPods Pro並
ノイズキャンセリングの強さは初代AirPods Pro並です。かなり強いです。
地下鉄で聴き比べてみましたが、そんなに大きな違いは感じませんでした。
ただしAirPods Proと比較して風切り音ノイズが若干気になりました。しばらく風にあたっているといつのまにかノイズが消えているので、もしかしたらソフトウェアで改善するかもしれません。
ちなみにノイキャンもパーソナライズで効き目が変わるらしいですが、音質の方と異なり効き目の調節はできず、違いがよくわかりませんでした。
外音取り込みはAirPods Proの方が強い
外音取り込みに関しては、明らかに初代AirPods Proの方が自然でなおかつ強力です。
Ear (2)の外音取り込みは比較的マイルドで、音量を上げなくても音楽がほどよく聞こえてくるような印象です。
個人的にはAirPods Proはあまりに外の音が聞こえすぎて大通り沿いを歩くと音楽が聴けないので、外を歩く時はノイキャンも外音取り込みもオフの状態で使っていました。
その点Ear (2)の方が音楽も外の音もほどよく聞こえるので、基本は外音取り込みをオンにして使っています。
まとめ
少しだけ気になる部分はありますが、個人的には大満足のイヤホンでした。
特に音質がめっちゃ良いところと、イヤホンの機能が接続する端末に関係なく使えるところが一番のお気に入りポイントです。
AirPods Proで一番不満だったApple以外の端末との相性の悪さがEar (2)ですべて解消されました。
購入した理由の記事でも言いましたが、ワイヤレスイヤホンは常に肌身離さず持ち歩くものなので、自分が一番ワクワクできる製品の方が毎日楽しい気持ちで過ごせると思います。
完全に気持ちの問題ですが、僕は結構大事だと思っています。実際使ってみて改めてそう思いました。
AirPods独自の機能(Apple製品間の自動接続切替や音楽の共有など)が必要ないのであれば、Apple製品しか持っていない方にもおすすめしたいです。
Ear (2)は見た目で選んでも中身で選んでも後悔させないイヤホンでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。